2016年9月23日金曜日

「体温の話」

以前、ニューヨークに住んでいた頃の話しです。

ニューヨークは当時、史上最もホームレスが多い時代だと言われていました。
路上で生活しているホームレス、冬は厳しいです。
そのホームレスから、面白い話しを聞きました。

「寒くなったら、絶えず、息を吸っては、止めたり、吐いたりするんだ」。
そうすると、
「身体が暖かくなって、ある程度の寒さはしのげるんだ」。

息を吸っては、止めて、吐いたりすると、
血液の流れが遅くなったり、速くなったりすることが分かっています。
すると、その血流の変化が血管をマッサージして熱が出るいう仕組みです。
毛細血管は、身体のありとあらゆるところを走っていますから、なるほどな。
と関心しました。

これは、ヨガのプラナヤマと同じ仕組みだと思います。
もちろん、アーサナでも、しっかりと呼吸を意識しますから。
ヨガをやっている間は、血液の流れが良くなり身体は暖かくなっています。

毛細血管の話になりますが、
毛細血管は、ある限られた運動でないと発達させることができない。
とスポーツ医学の研究では言われています。

その限られた運動とは、
低負荷、長時間の有酸素運動です。
例えば、LSD、これはジョギング程度のスピードでスピードを上げずに長時間走る運動です。
最低でも一時間走ります。距離ではなく時間です。

軽いジョギングでは、個人差はありますが、約20分ほどで、血液が全身を一巡することが分かっています。
ですから、一時間のジョギングで血液が三巡します。
私はランニングも日課ですが、このスロージョギングとヨガは、ほぼ同じ効果があると思っています。
ただ、ヨガも一時間以上はやるようにして、じわっと汗をかく程度は負荷をかけないと効果はないと思っています。

ですから、10年、20年と、長い間ヨガを教えている先生方は、
私が知る限り、体温が高く、
冬でも平気でTシャツで教えているような方ばかりです。
毛細血管が発達して呼吸が深く、体温が高いのです。

私の体温は、朝起きた時は36.5度程度ですが、一日のピーク時、36.9〜37.2度です。
この話をすると、微熱だと言われることがありますが、
白人は、大体、最低でも37.0度体温があります。平均は37.5度くらいでしょうか。
38.0度を越して、始めて風邪として認めてくれるそうです。

実は、私が子供のころまでは、日本人の平均体温は37.0度だったそうです。
その証拠は水銀体温計に残っています。
水銀体温計は今でも37.0度のところが赤くなっていますが、
その赤は、ここが平均体温ですよ。
という印だそうです。

昔の日本人が体温が高かったのは、生活が不便で、身体を動かすことが多かったのだと思います。一般人の筋肉量は昔の方があったと思います。

白人の体温が高いのは、主に筋肉量の違いだと言われています。

欧米の友人たちに、日本人には35度代の体温の人が結構いる。
と話すと、絶対に信じません。
「それでは死んでいるも同然だ」
という反応です。
35度代の体温って、欧米では病人以外にはいないと言います。

ですから、現在の日本は前代未聞の低体温時代になっていると思います。

現在、平均寿命を伸ばしているお年寄りたちは、戦時中、戦争直後と素食に耐え、
不便な生活のため、身体をよく動かしてきた世代です。
結果として、そのような生活は、健康な身体を作ってきました。
人間は、飢餓状態に近づくと、生命力がアップしてくることが分かっています。
体温も平均で37度、あったわけです。

その世代が居なくなった後は、坂道を転げ落ちるように、日本人の平均寿命は下がっていくと思っています。
それは、多くの医者も指摘していることです。

ヨガをしっかりと続けると、呼吸が深くなり、筋肉の量も増えて平均体温も上がります。
体温の発生源は筋肉です。その筋肉をつけるためにも、負荷の大きいアーサナも必要になります。そして深い呼吸。

ガンが発生しやすく、増殖しやすい体温は35度代です。
ガンが死滅し始める体温は37度以上です。
体温が2度上がることによって増加する免疫力は約6倍です。

ヨガを長期間、続けていると、健康になる。というのは、
体温が上がり免疫力がアップするというのが、その理由の一つだと思っています。






0 件のコメント:

コメントを投稿