2016年9月18日日曜日

「インド人の本音と建前」

以前、酒席で盛り上がったインド人のラームさん。
ラームさんはシリコンバレーとインドに会社を持つ元プログラマーの社長さん。

実は、私とラームさんには、大きな2つの接点がありました。

ひとつは、私がアメリカに住んでいる頃に仕事で行った、ベル研究所(ノーベル賞受賞者が6名いるアメリカの頭脳的な研究所)で働いていたということです。

私が行ったちょうどその日、偶然、研究所の年に一度の火災避難訓練で、
全研究員が庭に避難していました。

その様子を屋上で見ていたのですが、皆、自然と人種別に集まっていました。
そこにインド人の一団がいて、
私は、「あれはインド人ですか?」と担当の方に聞いた覚えがあります。
実は、その中にラームさんが居たのです。

もうひとつは、ラームさん、私が敬愛するBKSアイアンガー師と知り合いで、ラームさんは家族でアイアンガーヨガをやっていました。

まあ、昔から、私にはこんな事がよく起こるので、またか。という感じであまり驚かなかったのですが、そんな接点が分かって、二人で大いに盛り上がっていました。

酒席で料理というかおつまみを頼むことになって、
メニュが回ってきました。
酒席は、10名ほど。インド人はラームさんだけ。
ラームさんは私がヨーガをやっていると知ったためか、
「井手はベジタリアンだよね」
とそっと私に耳打ち。
ラームさんはヒンズー教徒で、彼を含め彼の会社は全員ベジタリアン。
「ええ、もちろんそうです」
と私。
で、ベジタリアンにも大丈夫なように冷奴と豆のフライ等をたくさん頼みました。
冷奴を食べていると、そこに別の人がオーダーしたカキフライが並びました。

ラームさんが、私に「これは何だ?」と聞くので、
私は、「これはオイスターフライです。まあ、このようなパーティーでは、友好親善のために牡蠣くらいは食べてもよいと思っています。ここだけの話ですけど」。

と言って、カキフライをひとつぱくっと食べると、
ラームさんは、とても安心したように、私に続いて、黙って、カキフライを美味しそうに食べました。

以前、目の前で見た、お酒をこっそりと呑むイスラム教徒のような感じで、とてもほほえましい光景にますますラームさんの事を気に入りました。

多分、ラームさんは、次の日からは、また敬虔なヒンドゥー教徒としてベジタリアン生活に戻ると思いますが、こんな「なんちゃって」的、本音と建前の世界ってとても大事だと思います。

人生ってこんな本音と建前の世界を何食わぬ顔して使い分けると、とても楽です。
ただ、ラームさんも私も肉だけは絶対に口にしません。
その最終ガイドラインを守っていたら、なんちゃってベジタリアンでも、良いと思っています。


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