映画「聖なる呼吸」が評判ですが、予告編を見たときに、
これは欧米の人間が見たヨガの一側面だな。というのが直感的に分かりました。
映画はまだ観ていませんが、DVDが出たらじっくり観てみたいと思っています。
この映画は、モダンヨガの創始者クリシュナマチャリア師の弟子と関係者のインタビューで構成されています。
その中の弟子の一人、BKSアイアンガー師の10年ほど前のインタビューがYoutubeにアップしてあります(以下)。
これは恐らくヨガ歴史研究者のアイアンガー師へのインタビューだと思いますが、
アイアンガー師は結構、真相と本音を語っています。
https://www.youtube.com/watch?v=UCjEyjXO_Xw
アイアンガー師がクリシュナマチャリアの弟子だった頃の回想をまとめると、
○クリシュナマチャリア師は、王族と軍属にヨガを教える教師だった。
○BKSアイアンガー師も軍隊担当だった。
○クリシュナマチャリア師は、特に軍属にヨガを教えるにあたって、精神的なものは必要ないと考えて、身体的な能力を向上させるためにヴィンヤサを考案した。ジャンプフォワードのテクニックがその典型。
1938年にヴィンヤサを紹介するムービーが撮影されています(以下)。
https://www.youtube.com/watch?v=LUvOuik-g4c
デモしているのはクリシュナマチャリア師とアイアンガー師です。
アイアンガー師がデモを担当しているということは、アイアンガー師がクリシュナマチャリア門下で最も身体能力が高かったのだと考えるのが自然です。
そして、クリシュナマチャリア師からヴィンヤサの普及を最も期待されていたのは、アイアンガー師だったと思います。
その証拠に、最初に世界各地でヴィンヤサを紹介したのはBKSアイアンガー師です。
日本でもそうでした。
ですが、アイアンガー師は、モダンヨガの聖地マイソールを離れ、プーナに移っています。そして、ヴィンヤサが特徴であるクリシュナマチャリア師のヨガとは訣別しています。
アイアンガー師はインタビューの中で、60歳を過ぎようとしている人間にヴィンヤサを教えてどうなる?
ケガをするのが関の山だろう?と述べています。
アイアンガー師は、誰にでもできるヨガが、自分が教えるヨガだという信念を持って、ヴィンヤサと訣別したのだと思います。
そもそもヴィンヤサの成り立ちは軍事訓練だからです。
現在、インドのヨガ指導者で、インド国内に最も弟子が多いグル、ババ・ラムデブ師。
現インド首相も弟子で、ラムデブ師の率いるパタンジャリ・ヨガ・ピースは、インドの国家的なバックアップのもとに、広大な土地に、ヨガセンター、大学、アーユルヴェータを元にした診療所を抱えています。
そのラムデブ師、インタビューで、ヨガのアーサナは誰でも5分以内にマスターできるようなものでなくてはならない。と述べています(以下)。
https://www.youtube.com/watch?v=8_jchTPUsiE
私は、体力維持のために、アクロバティックな練習もしていますが、
ヨガは誰にでもできるものである。というのが自然であり、本来、ヨガはそういうものだと思っています。
身体的にもっと極めたい、苦行してその先を見たい。
という人は、私のように、勝手に、個人の裁量と判断のもとに、それをやるべきだと考えています。
アイアンガー師亡きあと、私が最も賛同するグルは、ラムデブ師です。
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