写真は、BKSアイアンガー師の著作物。
実は、これらは、アイアンガー師が友人に送った本です。
本を送られたアメリカ人の友人、ヨガをやらない方で、
その後知り合った私に、プレゼントしてくれたものです。
時々ヨガ道場に練習に行く以外、手探りでハタヨガを覚えていた自分にとって、昔からアイアンガー師の著作はお手本のようなもの。今では、家にある石仏の脇に置いて、必要に応じて閲覧しています。
しかし、なんと言ってもプラナヤマについてだけでも一冊執筆されているところが凄いと思います。バンダの説明もかなり詳細。
人生訓のような本もありますが、とても興味を引いた師の言葉。
「蓮の花が咲くようにポーズしなさい」
「私は自分のヨガをアイアンガーヨガと名付けてはいない。周りが便宜上名付けたものだ。私のヨガはハタ・ヨガだ」
アイアンガー師はアーサナを行う際の身体のアライメントにとてもうるさい方で、あまり、美しさについては無頓着なのかな。と勝手に想像していましたが、
「完成形に近いアーサナは美しい」「どんなアーサナでも美しく表現しなさい」
ということだと思います。
確かに若い頃もお年を召しても、アイアンガー師のアーサナは、無駄がなくとても美しいと思います。
その蓮の花が咲くように。を私は常に頭に入れてアーサナを行ってきました。
「蓮の花が咲くようにポーズしなさい」
とても、素晴らしい言葉だと思います。
アイアンガーヨガという名前は、おそらくアメリカ人が、アイアンガー師のハタヨガを広めるにあたって、他と差別化するために命名したのだと思います。
キリスト教プロテスタントに様々な名前が付いているように、いわば「布教」用の名前だと思います。師は仕方なく使っているようにも見えました。
Youtubeにアップしてある、アイアンガー師のインタビューで、
「最近の様々なヨガをどう思いますか?」
という問いに、
「ヨガも科学や芸術と同じで進化するものだ。それで結構だ」。
と即答されています。
おそらくインド人の気質からして、自分のヨガにおいては、妥協はしないが、他の価値観は寛容に認める。といういわば、本音、建前のようなものが垣間見える感じがします。
以下、そのインタビューリンク
ハワイのアメリカ人友人のところにやってきたアイアンガー師は、パーティーの席で、大道芸的なポーズを披露して、皆大喜びだったと言います。
クリシュナマチャリアのモダンヨガを世界中に広めたアイアンガー師。
そこで得た利益はほとんど、師が設立された動物を保護するための環境団体に寄付し、
とても質素で厳格な生活を貫かれたそうです。
80歳を過ぎても、一日2〜3時間の練習は欠かさなかったとか。
そういう師の人柄が、これらの本から良く感じられます。
私は、昔から、人の価値は、何を残したか?だけでなく、その人がどんな人生をおくったのかということで分かると思っています。その意味においても、師の生き方は素晴らしかったと思います。
クリシュナマチャリア系列のヨガは、パタンジャリのオールドヨガの影響を受けていますが、直接の繋がりはほとんどありません。
パタンジャリの精神性と古来から伝わるアーサナに、インドの格闘技カラリパヤットと植民地時代にイギリス経由でインドに伝わってきた体操の技術もミックスしたものだ。というのが真相です。ですから欧米で爆発的に普及したのだと思います。
アイアンガー師はクリシュナマチャリア門下時代は、軍人に格闘技を教えていたこともあり、そこからヴィンヤサが出来たという説もあります。
ジャンプフォワードの技術は最初は軍隊訓練用だったと、確か、上記のインタビューで述べられていました。
ですからオールドヨガのグルや関係者たちは、クリシュナマチャリア系列のヨガを体操ヨガと言って軽視する傾向がありますが、アイアンガー師がなくなり、その業績が明らかになるにつれて、とても評価する機運が高まっているそうです。
これは、古くから日本でヨガを教えている先生や、シリコンバレーで働くインド人エンジニアから直接聞いた話しです。
アイアンガー師と直接会ったこともなければ、アイアンガーヨガの教室で学んだこともない自分ですが、BKSアイアンガー師の存在がなかったら、自分はここまでヨガを続けていなかったと思います。
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