2015年10月1日木曜日

「マントラ」

私の父方の家系は江戸時代から熊本長崎に点在する隠れキリシタンです。
母方は浄土真宗。
父方は、キリシタンは少なくなり浄土真宗がほとんどになりましたが、私はカトリックの洗礼を受けています。

しかし、母方の祖父が毎朝経をあげるのを聞いていたおかげか、あまり宗教の違いに違和感がありません。
仏陀もジーザスも大好きです。

聖歌隊にいるときはグレゴリオ聖歌を歌い、家ではマントラをあげていました。
そういう家庭が昔の九州には結構多く、宗教におおらかな土地でした。

私はいくつかのチベット語のマントラを暗記していますが、それはリンポチェ師が、
心がネガティブになったときはマントラを唱えなさい。と言われたからです。
今でも折に触れて唱えています。

マントラは短いです。なぜ短いか?
それはインドやチベットには昔から文盲の人が多いからです。
文盲の人は経典が読めません。ですから、たとえば般若心経のエッセンスを誰でも唱えられるように短い言葉にしているのです。

だから、マントラは文字の力ではなく言霊です。
言葉の響き、周波数です。
ですから、チベットのゲルク派の僧侶たちは独特の歌唱法で歌います。
あの響き自体に癒しの力があるのです。

自分は原典であるサンスクリット語の般若心経はすべて暗唱できますが、
その正確な意味は分かりません。
しかし、その響きはグレゴリオ聖歌のラテン語の響きと同じで、癒しを即もたらしてくれます。

言葉は理解しないとだめですが、音は即入ってきます。
写経は文字が読めて書けないとできませんが、
マントラは、誰でも受け取れます。即歌えます。

マントラは偉大な知恵だと思います。

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