2016年10月1日土曜日

「筋力と柔軟性」

しなやかな、観ていて美しい柔軟性は、強い筋力に支えられています。
写真の女性は、ガーシャ。
職業は「ハンドバランサー」、ハンドスタンド(倒立)、アームバランスのプロです。
シルク・ドゥ・ソレイユのアーティストとして有名で、彼女もヨガをやっています。
アジア系のロシア人。全く日本人と区別がつかない姿形、顔です。

サソリのポーズを片手でやっていますが、自分でもできそうだ。と思わせるくらいの自然さが凄い。
彼女は極端な例ですが、昨日、彼女のヴィンヤサを観ていて、柔軟性やポーズのスムーズさは、筋力に支えられている。
ということを改めて認識しました。

ヨガでもバレエでも、一見スリムに見える男性や女性でも、動きがスムーズでしっかりと美しくポーズできる人は、みな、筋力があります。
しっかりと筋肉がついています。そして、ケガをしません。
柔道では、ケガをしないことも名選手の条件だと言われていました。

知り合いのパリに住む日本人女性が、パリでヨガ教室に入門しようとしたら、
インストラクターが彼女の動きを観て、
「あなたの筋力と体重だったら、危険なポーズもあります。ケガする可能性が大きいです。まず体重を落として筋力をつけてヨガを始めることをおすすめします」
とアドバイスされたそうです。

その女性は別に肥満体ではありませんが、インストラクターは、体重と筋力との兼ね合いを観てから、指摘したのだと思います。

海外では、ヨガ教室のケガは、やっかいな訴訟に発展することがあるので、そういう反応なのだと思いますが、
そのアドバイスは本人のためだと思い。感心しました。
ですから、ヨガスタジオ側でも、そういう体重があって筋力がない人のための入門コースを特別に作る必要があるのかもしれません。


生まれつき身体が柔軟な方がいますが、いかに柔軟でも必要十分な筋力がなかったら、スポーツやヨガをやるのは危険です。

私は、子供の頃から今まで、何かしら武道かスポーツをやっていましたが、
身体が柔らかくて、筋力がない人のケガは、結構多く、それもひどい骨折が目立ちました。
身体が柔らかくて、可動域の限界値が大きいので、それを超えたとき、いきなり、やってしまいます。

逆に身体が硬い方は、それを自覚しているので、慎重になりますが、
全く予想もしていなかったような転倒をしたりすると、簡単に捻挫や骨折をしてしまいます。
身体が硬い方も、柔軟性をつけていく上で、同時に筋力をつけていかないと、トラブルを抱える可能性が大きいと思います。

まだ、世の中にヨガの先生が少ないころに、インストラクターを頼まれて、短期間、ボランティアで教えたことがありますが、生徒さんを見ていると、ああ、この筋力だったら、あのポーズをやったら、肩を痛めるな。と思い、
ちょっと腕立て伏せをやらせると、一回もできなかったり。
そういう生徒さんが多かったです。

知り合いのバレエの先生もおっしゃっていましたが、日常生活においても、最低限必要な筋力がない方が増えています。
そういう方は、まず、その筋力をつけた上でないと、どんな簡単なポーズでも、危険だと思います。もし、やらせるとしたら、マンツーマンでアシストしないと危険だと思います。

その点、器具を使ったり、生徒に応じて、初歩から対応できるピラティスに私は注目しています。

ヨガの発祥地、インドに住む人たちは、ヨーロッパ系と同根のアーリア系です。
地理的にはアジアですが、基本的に身体や顔は欧米系です。
ですから、スリムに見えても、しっかりと筋肉がついていて、筋力があります。

ヨガのアーサナは、それを前提にして、考えられていますから、必要な筋力がある。
というのは、ヨガの場合も大前提だと思います。

古来のアーサナは、大地に寝泊まりしてワイルドな生活をしていたサドゥたちによって、動物の動きを真似て考え出されたものです。

それを行うには、それ相応の筋力があることが条件だと思います。

そして、年齢を重ねてからもヨガを続けるには、若い頃以上に筋力維持を意識することが必要になります。若い頃、できていたアーサナが年をとってからできなくなるのは、柔軟性より、むしろ筋力の低下が原因のことが多いです。

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