アメリカでハリウッドセレブや女性を中心に、爆発的にヨガがブレークしたきっかけになったのが彼女、クリスティー・ターリントンの存在です。
当時、アメリカ人女性が最も理想とする顔のナンバーワンに選ばれたパーフェクトな美人さんです。
彼女は1980年代末から1990年代末のスーパーモデルブームのアイコン的な存在でスーパーモデルの中のスーパーモデルと言われていました。
ちょうど、私が、キャリアの中で最もファッション系の仕事が多かった時期と重なったので、同時進行的に彼女を注目していました。
彼女は、現在40代後半だと思いますが、18歳の頃からヨガをやっていたといいますから、アメリカのヨギーニでは、古株の方だと思います。
その彼女をファッション誌のマリ・クレールの仕事で2001年に撮ることになりました。
実は、その時の来日は、彼女がプロディースしたヨガのファッションブランドの宣伝を兼ねてのものでした。
会ってすぐに、自分もヨガをやっていると伝えたら、しばらくヨガ談義になりました。
その後、撮影前に行われたインタビューを聞いていましたが、とても興味ある内容でした。
彼女は14歳からモデルの世界に入って、すぐに頂点に上り詰めたシンデレラですが、やはり、多忙でストレスが多かったのか、1990年後半にはメンタル的に参ってしまい、思い切ってモデル業を休業し、大学に再入学して、ヨガに没頭したそうです。
トップモデルが仕事を休業するというのは、普通、復帰しても忘れ去られている、新しい人気モデルが登場している、ということが多いわけで、絶頂期に休業するというのは勇気が要ったと思います。
しかし、聡明な彼女は、大学での東洋哲学の勉強とヨガの修行を加速させることで、新しい価値観の彼女を作り上げ、まったく、ただのファッションモデルとしては違う価値のある女性として復活したわけです。
彼女は、モデル業をやめるつもりはなかったが、とにかく自由な時間が自分には必要だったと言っていました。
何事も、物事を成す、次のステップに移るには時間が必要です。
世界的な投資家、ジョージ・ソロスも、「有り余る自由な時間が必要だ」
と回顧しています。
おそらく、その頃にはヨガのキャリアも長かった彼女には、そのことが自然に分かったのだと思います。
おそらく彼女がヨガをやっていなかったら、そのまま、ファッションモデルで終わったと思います。
1990年代にヴォーグやバザーで目にした、彼女の「目」と、撮影の時に見た彼女の「目」は全く違っていました。聡明さが漂っている。というか、とても美しい「目」でした。
ヨガ絡みで、今まで最もドラマチックだった出逢いが彼女との出逢いです。
プライベート用にと思い、
「パドマーサナ」やってみて?
と彼女にリクエストすると、にこりとして、ちょこんとソファーの上でポーズしてくれました。
余談ですが、ヨガと仏教や東洋哲学に傾倒している彼女はカトリックだそうです。
それは偶然、自分と同じで、私も、東洋哲学が好きで、仏教にも帰依していますが、カトリックの洗礼を受けています。
ヨガのキャリアの長さや、同時期に、同じ業界で仕事をやっていて、ジャストのタイミングで出会えたことに、とても運命的なものを感じました。
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