2016年11月30日水曜日

「ヴィーガンとは?」

この質問をよく友人たちから受けます。
結構、様々な形態があって簡単には説明できませんが、物理的に言うと、
ヴィーガンは、野菜、ナッツ、果物、穀類だけで生きている人たちです。
ベジタリアンは、これ+乳製品を摂取しています。
しかし、最も大きな違いは、ethical(倫理的)な側面。
ヴィーガンの多くは、ethical veganです。

つまり、ヒンズー教徒や仏教徒と同じで、あらゆる生き物への殺生と暴力を否定するという側面。
そして、もうひとつが環境問題です。
衛星写真でブラジル・アマゾンの熱帯雨林を見ると、肉眼ではっきりと広範囲に渡って伐採され焼かれているのが分かります。
アマゾンの熱帯雨林は、地球に酸素を供給するもっとも大きな供給源のひとつです。

この伐採の目的、それは、畜産です。牧畜用、牧畜のための穀物作付け用の土地になるのです。

そして、畜産、特に牛は大量の穀物を食べるので、世界中の穀物のかなりの割合は家畜用として消費されています。
それを、もし、人間用に、いくらか回すと、数値上、世界の飢餓人口はなくなることになります。

それほど、家畜の穀物消費量はすさまじいものです。
ですから、肉食を減らすということは、大きく地球環境を改善するということに繋がるという考え方です。

そして、家畜の育て方。
現在、鶏も豚も牛も、生まれてから、一度も太陽を見ない状態で育てられている個体がほとんどです。
厩舎に詰め込まれ、ストレスと、病気にならないための抗生物質、成長ホルモン剤で汚染されきっています。

ご存知のように最近、また鳥インフルエンザが発生しました。
抗生物質は細菌にしか効きません、鳥インフルエンザはウィルスなのでお手上げです。細菌とウィルスは違います。ウィルスは人間や動物の細胞の中に入り込んで半ば寄生している状態なので、薬がまったく効かずお手上げで、感染がおさまるのを待つしかないのです。

何十万羽という大量飼育、それもぎゅうぎゅうに押し込められているので、ウィルスは燎原の火のように広まります。

その繰り返しで、そのウィルスは、人間にも毒性のある型に変質することがあります。もともと鳥インフルエンザウィルスは人間にも感染する機能がありますが、そこにただ、鍵がかかっているだけです。
その鍵がはずれて、何かの影響で人間にも感染した。それが中国で多くの死者がでた例です。

将来、悪性の鳥インフルエンザはエボラウィルス熱に匹敵するものになるだろうと予想されています。


実は、アメリカの畜産農家の経営者にベジタリアンが増えています。
利益を出すために、仕方なくやっている大規模飼育方法で育てた家畜の肉が、どういうことになっているのか、一番知っているからです。
「食べる気が失せる」
とある牧場主は言っています。

和牛はその点、良心的な飼育方法ですが、
やはり、霜降り等、脂肪を増やすため、良い餌を与えられすぎ、運動不足なので、
糖尿病などの成人病になり、目が見えない個体も増えています。
Googleで「和牛、目が見えない」で検索してみてください。いろいろと出てきます。
テレビでもレポートされたことがあります。

これら、倫理的問題、環境問題と健康問題、を考えて肉食、乳製品を摂らないというのがヴィーガンの考え方です。

そして、ヴィーガンは、悪名高いシーシェパードのような過激な活動家から、
健康に良いし、ヴィーガン料理をいろいろ考えるのが面白い、みたいな、エンジョイ型の穏健派まで様々です。

私の場合は、主に、健康とヨーガをやっていて自然にそうなったという、ゆるいヴィーガンだと思っています。

これは私見ですが、私はInstagramを通じて多くの欧米中南米のヴィーガンと繋がりがありますが、彼ら、彼女らも、ある時期までは肉食をしていたはずです。

そして、もともと健康的で身体を鍛えるのが好きなような活動的な人が多いので、
ヴィーガンになるまでに、肉食で頑強な身体を作り込んでいる。
という感じがします。

私が、Instagramで見る限り、男女ともヴィーガンは、一般の日本人とは比較にならないほど素晴らしいガタイをしています。
たまたま、流行に乗ってヴィーガンになってみたが、想像以上にタフになり、持久力もついて、そのまま続けている。
という方が多いです。
なにより、肥満の原因は、動物性脂肪です。炭水化物が目の敵にされていますが、
一番は、動物性脂肪です。これは事実です。

ですから、ダイエットという側面からも時流に乗ったのだと思います。

私のニューヨーク時代の知人で、当時フィルム現像のラボで働いていた黒人がいました。
彼は、苦労人で、南部の貧農の出身で、都会に出てくるまで、豆と芋ばかりで重労働に明け暮れていたと話してくれましたが、
190cm、110kgのガタイは、筋肉の塊でした。
彼は、成人しても肉は合わず、そのままベジタリアンになっていました。
しっかりとした腸内環境と、一日が終わると爆睡するほどの労働や運動を続けていると、
人間は菜食でも屈強になります。

ですから、私はその時に、動物性であろうと植物性であろうと、
最終的に筋肉を作るのはアミノ酸で、
彼がよく食べていたバタービーンやガルバンゾービーンは、肉と変わらないタンパク源だったのだ。
と気が付きました。

ステーキの肉を見ると、力がつきそうな感じがする。
これは、ただのイメージでプロパガンダの影響です。

そういうからくりに気がついた人も、多くはベジタリアンになっています。

ただ、問題なのは、日本はベジタリアンのインフラがほとんどありません。
それに、肝心な農作物や果物の種類が少なく、重要なタンパク源になりそうなのは、大豆しかない状態なので、
日本でのベジタリアン、ヴィーガン生活は初心者にはきついと思います。
ただ、日本には精進料理を中心とする伝統食のレシピが伝わっているので、
それが救いです。
そういう料理を楽しみながら作れる人でないとつらいと思います。

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