2016年11月4日金曜日

「ヨガとランニング」

ランニングの後にヨガを楽しんでいる方が意外に多いと思います。
マハトマ・ガンジー師宅に居候されていた沖正弘師の回想によると、
師は早朝、ヨガの前に走っておられたそうです。

私がヨーガを始めたころ、ヨーガ道場(弟子の住み込みが多かった)では、大体、早朝ランニングのあとにヨーガというのがお決まりのコースでした。

私も、主に春〜秋は、6kmのお決まりの海岸コースを走って、
ひとしきり汗をかいてから、海岸でヨガをやるのが日課になっています。
大体、2km走ると血液が身体を一巡するそうですから、3巡ですね。

心肺機能が活性化して、身体もクリアになり、
気分的にもハイになったときにヨガを行うと、
神経の集中度も俄然違ってきます。

そして、通常だったら冷え始める体温がヨガの緩やかな動きで適温にキープされて
免疫力の機能もハイレベルになります。

ヨガの前にお勧めなのは、以前にも書いたように、スロージョギング程度のランニング。
LSDといいます。ロング・スロー・ディスタンスの略です。

低負荷、長時間(最低一時間)という運動は、毛細血管を発達させます。
実は、毛細血管を発達させることのできる運動は、長い間、このスロージョギングだけだと言われてきました。

最近ではトレーニング機器が発達して、それ以外でもできるようですが、
最も効果的で古典的でお金のかからない方法です。
オリンピック選手も、オフシーズンには必ず行っているトレーニングです。
こればかりは、いくら歴史のあるヨガのアーサナでも無理なのです。

毛細血管が発達すると、酸素が隅々まで行き渡り、
末端の部位の老廃物をすみやかに肺まで運ぶルートになります。

ヨーガの先生たちもそれが分かっていらっしゃったようで、
ヨーガにできない効果を求めて、スロージョギングを練習に取り入れていたのだと思います。

私は、競技の補助や、調息、瞑想の一環としてヨガを行ってきたので、
ヨガは、興奮して熱を帯び、疲れた身体を鎮めるものである。という考え方です。

ですから、ヨガ自体で汗を沢山かくというのは、あまり好みではありません。
例えば、水泳長距離練習で3000m泳いだ後に、
ハードなヨガをやるなんて、とてもじゃないけど、危険です。
大体ヨガに臨むときには、筋肉も疲労し,大量の汗をかいていることが多いからです。

多くのアスリート系ヨギは、大体、私のようなやり方が多いと思います。
私は、よくアームバランスや倒立系をやっていますが、
これらは、過激な割に、ほとんど汗はかきません。

大体10秒前後のキープ時間なので、バランスをとるまでの一瞬の負荷だけで、
筋肉に対する負荷はそれほどでもありません。

スローなジョギングで単調な動きになった身体に喝や、刺激を与える。
といった感じでしょうか。その一瞬の集中力が大きな刺激になります。

市民ランナーとして練習しているヨギやヨギーニが多いと思います。
彼ら彼女らがこの気持ちよさに気がついたというのは、自然の成り行きだと思います。


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