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ハタヨガ歴41年、戦後日本のヨガの黎明期から日課としてヨガを続けています。幼少期から柔道、体操、水泳競技等に親しんで、競技生活の補助としても瞑想やプラナヤマを活用してきました。最近は、筋トレや精神修行を兼ねて、倒立系、アームバランス系のアーサナを中心にトレーニングしているヴィーガンです。
2016年11月19日土曜日
「パタンジャリは20世紀まで無名だった」
インドや欧米の学者の間では、
パタンジャリはただの編集者や編纂者だと言われています。
それまでにあったヴェーダやバガヴァッド・ギーターの教えを編纂してヨーガスートラにまとめたからだと思います。sutraとはshort statement、すなわち簡略文です。
簡略前の膨大なデータがあるわけです。
面白いのは、200近いスートラの中でアーサナは3つしかないところです。
ヨーガは瞑想だ。と言われる所以です。
アーサナはヨーガのほんの一部なのです。
パタンジャリは、どこか、キリスト教の福音書史家と似ているようなところがあります。
福音書史家は後に聖人になりましたが、当時は単なるジャーナリストでした。
様々な調査や聞き取りによってジーザスの教えや行動を記録にしたからです。
それらは、後世の宗教会議で、カトリック教会に都合の悪い部分は削除されたりして、
現在の27のブックにまとめられました。
新約聖書にも削除されたり、目に触れられていない膨大な記録が背後にあります。
一編纂者にすぎないパタンジャリがなぜ、開祖のような喧伝の仕方をされているのか、
私にとっては、とても違和感がありました。
実は、パタンジャリは、単なる、編纂者の一人として、20世紀を迎えるまでは、
インドでは注目されることはありませんでした。
というより、知る人もいなかったそうです。
20世紀までは、ヨガと言えば、バガヴァッド・ギーターとヨーガ・バシスタ、ハタヨーガ文献、タントリック・ヨーガ、パーシュパタ・ヨーガでした。
ヨーガ・スートラは、クラシックヨーガを現在まで伝えた多くのヨーガのひとつであったと言うのがヨガ学者や歴史家の見解です。
そして、多くの学者が、それまで無名だったパタンジャリの名を祀り上げたのは、商業ヨガだと指摘しています。
多分、20世紀中期、インドのグルの元でアーサナ中心のヨガを学んだ欧米人が、販促における精神的バックボーンとして祀り上げたのではないのでしょうか?
私はそう思います。
インド人のインテリ層と話しをしていると、どうも、現在流行っているヨガと、彼らが日常の知識として知っているヨーガの間に乖離があって違和感がありました。
あるインド人は、現在の欧米のヨガを、商業ヨガだ、体操ヨガだと云います。
そのことは、パタンジャリの喧伝とも関係がありそうだと感じています。
伝統的なヨーガ(クラシックヨーガ)を現在の世界に紹介したグルは、
Swami Vivekananda(スワミ・ヴィヴェーカナンダ), Paramahansa Yogananda(パラマハンサ・ヨガナンダ), Aurobindo Ghose(オーロビンド・ゴーシュ), Swami Shivananda(スワミ・シバナンダ)です。
あるインド人が面白いことを言いました。
「名前にナンダが付くグルがヨーガを正統に伝えていると思えば良い」。
思わず「そうナンダ」。
と言いそうになりました。
現在インドで最も人気がある存命のグルは、Baba Ram Dev(ババ・ラム・デヴ)師です。
ラム・デヴ師はグルというより篤志家のような存在で、
全インドに最も多くの弟子を抱えていて、現インド首相もそうです。
そのお布施で広大な土地に大学やアーユルヴェーダの病院を抱えて、添加物フリーのアーユルヴェーダに基づいた石鹸や日用品を販売して、欧米の添加物満載の石鹸や食品で毒されたインド人の健康を取り戻そうと日夜奮闘されています。
そして、欧米の商業主義の商品やグローバリズムを名指しで批判しているためか、
欧米のメディアからは、徹底的に無視され、キワモノ扱いされている感があります。
全世界に影響力を持つ欧米のメディアはそういう側面を持っています。
ですから、欧米人に親和性のあるクリシュナマチャリア師のモダンヨガに対しては、相当好意的で、それがあって、全世界的にヨガが広がったのだと思います。
その結果、モダンヨガがバックボーンとしているパタンジャリがあたかも聖人のように祀り上げられたのだと思っています。
私はクリシュナマチャリア系統のモダンヨガが日本上陸する前からヨーガをやっていました。
当時は、こういう知識のあるヨーガの先生兼研究者があちこちに居て、様々な知識を得ることができ、ヨーガの全体像がおぼろげに自分の中にありましたが、
1990年以降のヨガは、どうも、自分のヨーガとは異質です。
ですから、自分勝手ですが、ヨーガとヨガは分けて考えています。
でないと、整合性がとれないのです。
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