2016年11月10日木曜日

「自分の居場所」

仕事の話で恐縮です。
この写真、恐らく、自分の仕事の中でも最も印象的な撮影のひとつだと思っています。
彼女はパリで活躍する演技派女優のマリ・ジラン。
ベルギー人です。

彼女が来日した時にマリ・クレール誌の仕事で撮ったものです。
ちょうど、世界的なコスメ、ランコムの広告モデルで一気に有名になった頃でした。

私も、この頃は、今までの中で、最もエネルギッシュな時期でしたが、
プライベートは混乱していて不安定な時期でした。

とにかく、瞑想をしているときや、
写真撮影に没頭しているときが、一番、平和で安定していたと思います。
そこが、自分の居場所、避難所みたいなところがあり、
瞑想にも写真にも「心の平安」を求めていた時期だったと思います。

ですから、プライベートが混乱して、すさんでいたにも関わらず、
この頃の写真は、実に平和で、穏やかです。
ほんと写真は鏡で、自分が、被写体に写し込まれると思います。

人間って、誰でも、自分だけの精神的な居場所、避難所を持っていると楽だと思います。

作家の吉行淳之介や村上龍もエッセイでその事について言及していました。
彼らも、若い頃から、いかにして自分の居場所を確保するのかを意識していたと述べています。

彼らは「作家」としての居場所を確保したわけですが、私も、なんとか自分の居場所を確保できたので、今までやってこられたのだと思っています。

この、自分の居場所は、人それぞれで、具体的に違って多様であると思います。

しかし、自分が逃げ込める場所があると、なんとかやっていけると思います。

現在は、私は、半ば隠遁生活みたいな平穏な生活なので、
生活全てが避難所みたいになっていますが、
人生は、いろんな大変な事がサイクルで起こります。

私は、ちょっと凹んだり、ショックな事が起こると、
いつも海岸に出て、10kmほど走ります。
そして、プラナヤマとちょっとポーズをして。
大体、それで、一時しのぎ的にメンタルは回復します。
それでもだめな時は、再び創作活動に没頭、三昧の生活。

そんなふうに、いつも自分の逃げ場と逃げ方を用意しています。

特に精神的に危機的な状況は人に相談してもらちがあきません。
自分で考えて内省して、そして、なんとかするか、悪魔が立ち去るのをひたすら待つ。

そのための自分の居場所は、誰にでも必要だと思います。



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