ビジネスモデルというものがあります。
どういうポリシー、計画、形態で、ビジネスをやっていくのか?
という指針のようなものです。
これは、大企業でも自営業でも同じです。
私がNYCで仕事をやっている頃に体験した面白い話しがあります。
ある雑誌の編集者に、
「あなたの担当しているこの本は、約30名以上の編集スタッフで構成されているが、日本では、例え大出版社でも10名にも満たないスタッフで運営すると思う」。
と言いました。
すると、彼は、こう応えました。
「もし10名でやらないと採算がとれない本だったら、そもそもビジネスモデルが間違っている。我々はそういうビジネスはやらない」。
この考え方は、日本の多くの事業に言えると思います。
もちろん、彼が言うようなポリシーで、成功している企業や自営業も日本には、あります。
しかし、それらは例外で、大成功している会社です。
要は、十分なスタッフで、しっかりと、休みもとれて、人間らしい生活ができるビジネスでないと、そもそもやらない。
そうでないビジネスモデルでないと、やっても長く続かない。
ということだと思います。
しかし、彼が言うようなビジネスモデルは、
他にはない競争力が不可欠です。
結局、他にはない、なにか特別なもの、人から必要とされるものがないと、仕事というものは成りたないのだと思います。
そうでないと、しわ寄せは、価格や、社員(個人)の過当労働に行ってしまいます。
私の知人で、中小企業再生のカリスマ・コンサルタントがいますが、
彼は、「中小企業、自営業で、値引き競争に入ってしまって、生き残った会社、個人は皆無だ」。
と語っていました。
私の仕事であるフリーランスのフォトグラファーも全くそうで、
私は誰より安いです。
というポリシーで生き残っている人はいません。
安くやると、一時的に仕事は増えますが、
ただ、ギャラが安いフォトグラファーとして見られて、
若い、もっと安いギャラでやるフォトグラファーが出てくると、
すぐに仕事はなくなります。
技術はそこそこで、人間的にとても素晴らしいが、没個性。
というフォトグラファーもなかなか生き残れません。
やはり、キーポイントは、「他にはない何か」。
一度目にしたら忘れられない個性。
優秀な技術はあって当たり前の世界です。
企業も個人もこれがないと、ビジネスは一時的に成功しても長くは続かないし、
最初は儲からなくても、「他にはない何か」を積み重ねていくのが
長くやっていく王道だと思います。
この「何か」が何なのかを知る。ということが一番やっかいで時間がかかります。
しかし、それは回り道のようであって、それを知ったら半分は成功したようなものだと思います。
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