2016年12月21日水曜日

「アシュタンガヨガの謎」

アシュタンガヨガは、私が今までヨガの世界を見てきて、
かなり特殊で、謎のある、魅力的なヨガだと感じています。

日本には、ヨガ研究者やヨガの歴史家が少ない。
というか、あまりメディアには出てこないのかもしれませんが、
研究書や論文が少なく、どうしても海外の文献や資料に目が行ってしまいます。

WikiのAshtanga_vinyasa_yoga
にこうあります。

https://en.wikipedia.org/wiki/Ashtanga_vinyasa_yoga

マンジュ・ジョイス 師によると、
パタビ・ジョイス師は、アシュタンガヨガのシーケンスを、
クリシュナ・マチャリア師から学び、

クリシュナ・マチャリア師は、師のグルであるバラマ・リシ師(Varama Rishi)から学んだとされ、その指南の書は、ヨーガ・クルンタ(Yoga Krunta)と呼ばれたとあります。
これが、実質、アシュタンガヨガの核となるものだと想像されます。

そして、

アシュタンガヨガのヴィンヤサは、インドの格闘家(カラリパヤット)と大英帝国の器械体操選手から、その練習方法を取り入れたとあり、
その文献的な証拠として、20世紀初頭の「フィジカルジャーナル」(体操の機関紙?)には、クリシュナ・マチャリア師のアーサナシステムにとても似通ったポーズが沢山掲載されている。とあります。

時系列的に言うと、体操やカラリパヤットの方がクリシュナ・マチャリア以前の話しです。

そして、スーリヤナマスカラ(太陽礼拝)のフローは、後にクリシュナマチャリア・マイソールシステムの基本となったが、
その頃はヨガのアーサナとは見られていなかった。
とあります。体操だと見られていたと考えるのが自然だと思います。

だからかも知れませんが、古参のハタヨギは太陽礼拝はやりたがりません。
B.K.Sアイアンガー師も、お弟子さんもやっているところ見たことありません。
アイアンガー師もクリシュナマチャリア師の弟子のときは、
やらされていたとは思うのですが、そこが面白いところです。

私が古参のヨギから直接、聞いた話だと、スーリヤナマスカラは、スウェーデン体操かデンマーク体操をアレンジしたものだと言っていました。

ですから、ヨガの呼吸法を取り入れたとは言え、
現在のアシュタンガヨガのヴィンヤサは、前述のヨーガ・クルンタに、
西欧の器械体操とカラリパヤットを取り入れたものだと思います。

それは、私にとっては、とても新鮮で、アシュタンガヨガがどんどん発展した理由のひとつだと思います。

Wikiには、1970年代にパタビ・ジョイス師の弟子だった女性(多分最古参)が、当時、師から学んだヴィンヤサと現在行われているヴィンヤサは別物だ。
と指摘されていますが、記録フィルムを見ると、シーケンスの中にハンドスタンドはありません。
逆転系は三点倒立かエルボースタンドまたは、頭立です。

もちろん、器械体操の床運動で有名な、ロシアンレバー(V sit)からハンドスタンドに持っていくシーケンスなどもありません。

これら、アシュタンガヨガに見られる多くの器械体操(床運動)のテクニックは、多くの身体能力に優れた欧米系のヨギがマイソールに集まるにつれて
取り入れられたのだと思います。

興味があるのは、Instagramで欧米のアシュタンギ(先生クラス)が、結構、思い思いのシーケンスで練習をやっていることです。
おそらく生徒に教えるときは、厳格にメソッドを守っていると思いますが、
誰かが面白いシーケンスをやりだすと、それが、次第に取り入れられてくると思います。

ですから、アシュタンガヨガは常に発展するモダンなヨガだと思います。

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