「アヴァローキーテシュバラ・ボーディサットヴァ」
このボーディサットヴァ(観自在菩薩・水月観音)を実家からうちに運んでくるのは一苦労でした。
西域で彫られた美術品(石仏)で、清の時代のものです。
中国に住んでいた祖父が1930年頃、日本に持って帰りました。
持って帰らなかったら文革で破壊されていただろうと華僑の方がおっしゃっていました。
推定重量は150kgほど。最初に乗せた重量物用の台車はまっ二つに折れました。
狭い台座に150kgの重量が乗っかっているので前代未聞の重量感だと業者は驚いていました。
専門の業者3人でワンボックスにリフトアップして、私と、東北から出稼ぎにきていたおじさん二人で、毛布でくるんだボーディサットヴァを倒れない様に抱きかかえていました。
車が右左折すると、大きな慣性モーメントで二人で支えるのがやっと。
急な角を曲がった時に、その出稼ぎ叔父さんの方に菩薩が傾き、私はあわててサポート。
叔父さんは、一瞬その重さに苦しそうな表情を見せましたが、菩薩を両手に抱えてとても幸せそうな顔になりました。
なぜかその叔父さんの表情が今でもリアルに記憶に残っています。
そして、菩薩の設置も終わり、業者さんを見送りに表に出ました。
業者さん3人は丁寧にお辞儀して去って行きましたが、
その3人の幸せそうな表情が今も忘れられません。
祖父が毎朝読経していたように、今朝も、パーリ語(サンスクリットの口語体)でPrajnaparamita(般若心経)を読経しました。
一日の始まりです。
みなさまよい一日を。
(c)Hiroyuki Ide
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