2017年12月31日日曜日

「悲しい慣習」

纏足(てんそく)の老婆。

1930年頃に当時中国の天津に居た祖父が撮ったもの。
私の母方は、ずっと中国大陸に住んでいた。
母は中国で生まれ、中国語の方が得意だった。

最初、祖父がなぜこの写真を撮ったのか分からなかったが、当時子供だった母が、この老婆が纏足である事に気がついた。当時まだまだ纏足の女性がいたそうだ。
杖をついて船が揺れるよう身体を揺らして歩いていたとか。

纏足とは、昔中国にあった、足首を細くして脚を綺麗に見せるために成長期の女性の足首を縄で縛る慣習だが、ずっと縛って、足の成長を止めてしまうため、女性は満足に歩けなくなる。
ちょこちょこと短い歩幅で歩くようになる。

後に女官や自分の奥さん、愛人が遠くに逃げられないようにするため纏足が利用されるようになった。
封建的な時代、暴力に耐えかねて逃げ出す女性も多かったそうだ。
この老婆、杖をついて足首は異様に細い。

多分この老婆は清の時代に生まれているので、女官だったのかもしれない。悲しい歴史である。

日本にも、インドにも中国にも、セクハラやパワハラ以前の全く人間性を無視した慣習があった。

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