2018年2月6日火曜日

「中村天風師」

自分のFBページから転載です。

私が最も尊敬するヨーガの師、中村天風師と、宇野千代さんの対談「天風先生座談」の文庫本版(宇野さんが天風師の話を記述するという形式で宇野さん自身のコメントは序文のみ)。

1990年頃、ちょうど講談社の女性誌の仕事をしていたころに、その女性誌で宇野千代さんの特集があった。亡くなる5年ほど前だったと思う。その特集ページの写真を時々撮っていた自分は、宇野さんを撮りたかったが、それはかなわなかった。

その特集は、宇野千代一代記といった内容で、素晴らしい出来だった。多分、宇野さんが雑誌に登場した最期の姿だったと思う。


この本の対談の相手、中村天風師は、宇野千代さんの命の恩人と言ってもよいようなヨーガの師。宇野さんは天風師の弟子である

実は、中村天風師の道場、天風会館は、講談社のすぐ近所(音羽、護国寺駅脇)にあって、天風師の本の多くは講談社から出ている。私が当時女性誌でお世話になった副編集長のNさんの先輩は中村天風師の著作出版の担当だったそうだ。
そして、この本の編集者Oさんは、私が当時お世話になっていた女性編集者Oさんの旦那さんである。

いろいろと、自分の回りにご縁がある本である。

宇野千代さんは、1897年生まれで1996年没。
中村天風師は、1876年生まれで1962年没。

宇野さんは、明治、大正、昭和、平成、
天風師は、慶応、明治、大正、昭和、

という4つの時代を生き、
宇野さんは、恋多き女流作家、きものデザイナーとして人生を駆け抜け、天風師は、陸軍諜報機関のスパイ、銀行家、ヨーガの実践哲学者として人生を全うされた。天風師はアメリカでも学び、欧州にも滞在経験を持たれている。

東郷平八郎、尾崎行雄、後藤新平、松下幸之助は、天風師の代表的な弟子である。

激動の4時代を生き抜いた、お二人の話が面白くないわけがない。読む度に、新たな気付きがあり、勇気づけられる。
昨日からまた読み始めたが、もう3度目くらい。
面白い!
説教じみてなく、お二人のキャラのせいか、おしゃれで、笑えて、そして、心の奥底に何かが確かに残る本である。

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