2017年5月25日木曜日

「シグナル」

「シグナル」

社会生活を続けていると、「もうこれはダメだ。この仕事、人間関係は続けられない。違うんじゃないか」
などと心の底から啓示のようなものが湧いてくることがあります。

特にヨーガに真剣に向かっている方に、そのような感覚が鋭くなって、思いっきり人生の進路を転換するような方が多かったように思います。

私は、本来のヨーガは、現在の資本主義社会の生活に上手く活かすことはできないと考えています。

今まで何度もブログに書いてきましたが、ヨーガの瞑想、プラナヤーマ、アーサナを長年続けていると、ものへの執着が無くなり、持たないことが自然で楽な状態になってくるからです。

逆に、

持ちたい、満たそうという過剰な「欲」をもとに発展するのが、私達が住んでいる資本主義社会です。
もともと、資本主義のシステムは地球上の資源を全て消費しつくして、破滅するシステムだと古くから言われています。実際、そうなりそうな気配です。

それでも、この社会で生きていかないといけないので、
今の自分は、仕事をして、生活の糧を得るための最低必要なものだけを持っている。という状態でしょうか。

それに反するような、例えば、自分の40代のときのような、消費するために稼ぐというような生活に対して、ある時期になると、

もうやってられない。これは違う。

と心の奥底からシグナルが出ることがあります。

これは悟ったとか、そういう次元の問題ではなく、
生物学的に言うと、自己防衛反応だと思います。

多分、自分が40代の生活を続けていたら、今生きていないと思います。

その強制的なリセットが離婚と破産でしたが、
そこで、思いっきり根本から考え直したのはヨーガのおかげだったと思います。

40代もヨーガはやっていましたが、そこまではシグナルは出なかったような。
しかし、どこか、これはおかしい、なんとかしないと。
と嫌な気分になることで、身体は教えてくれていたと思います。

写真のサドゥは、インドの荒野で野宿しながら10年以上、ヨーガ生活をしているそうですが、
元は、IT技術者だったそうです。
ある日、これは自分がやることではない。このままだとダメになると思い、
家族も捨てて、グルの元に走ったと語っています。

こういうシグナルは、別にヨーガをやっていなくても感じることはありますが、
10年、20年とヨーガが生活の一部になっていると、
この感覚は先鋭化してきます。

そして、もやもやした時期を経て、いきなり確信のある強いシグナルとして湧いてくると思います。

私がヨーガの世界に入る時に、先達から、
「いずれ分かる」
と言われたことが、自分で分かるまで生きてこられたことに感謝しています。

ただ、どんな人でも、それが分かる瞬間が訪れます。

それは死の直前です。


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