2017年5月15日月曜日

「21回歌うこと」

ヴァジュラ・サットヴァ・マントラという有名な仏教のマントラがあります。
サンスクリット語とチベット語のマントラが有名です。
日本の真言宗にも漢訳したものがあります。

ちょっと長いマントラでゆっくり唱えると一分ほどかかりますが、
とても詩的で、チベット仏教のメロディに乗せて歌うと牧歌的な雰囲気に、思わず和んでしまいます。

本来、詩やマントラや仏典や聖書の一節はメロディに乗せて歌うものです。
棒読みすることは稀です。
お経やマントラは「唱える」と言われますが、本来は歌うものです。
マントラもお経も、ラテン語や英語ではchantと訳されるということからも、それは分かります。

このヴァジュラサットヴァ。いろんな説がありますが、ボーディサットヴァ、すなわち観自在菩薩と同じだと言われています。ヴァジュラは、あの武器のヴァジュラ。

そのヴァジュラを右手に持って振りかざしていることからヴァジュラサットヴァと言われていますが、西域に残っている像は、ヨーロッパのヘラクレスと並んで飾られているそうです。

そのヴァジュラサットヴァ・マントラ、チベット語で歌うことが日課になっています。もちろん21回。チベット仏教ではヴァジュラサットヴァ・マントラを每日21回歌うことが推奨されています。ただ、マニ車を回せば、省略しても良いかも知れませんが、その辺は良く分かりません。每日21回歌えば、大体一週間もしたら暗唱できるようになります。

子供の頃、実家の近くに日蓮宗のお寺があり、早朝、読経が終わると、多くの門徒の方たちが、幸せそうな顔をしてお寺の門を出て来る光景を目にしました。

アメリカに住んでいる頃、バプテスト派の教会で日曜ミサが終わると、やはり幸せそうな顔をして出て来る黒人のおばさんたちを目にしました。もっと幸せな人はミサのピークに気絶して救急車で運ばれていきました。いつも日曜ミサのときには救急車が教会の駐車場に待機していました。

この繰り返し歌うということは、人間のメンタルを知り尽くした知恵だと私は考えています。なぜ、マントラや聖歌を歌うと幸せになるのか?
それは良く分かりません。

ただ、あらゆる宗教、ヨーガもヨガも、その目的はたったひとつです。
それは、「心の平安」。

その心の平安を、もたらす知恵、それがマントラや聖歌を歌うことだと私は信じています。

理屈では納得させられないことを、歌うことによって、簡単に感情や情緒が納得させることがあります。





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