2017年5月10日水曜日

「ヴァラナシィ」

Varanasi // Beyond Life from Aeyaz on Vimeo.

最近、Vimeoにアップされたショート・ドキュメンタリフィルム。
インドにあるヒンドゥー教の聖地ヴァラナシィを撮ったもの。

とても映像が美しく、フォトグラファーの哲学的な映像観が出ています。

以前、ヴァラナシィはベナレスと言っていました。
まだ大英帝国のインド支配の影響が残っていた頃は、都市名は大体英語表記でした。
コルカタもカルカッタでした。

この映像の中に何人かのサドゥが登場しますが、
彼らこそが何千年もの間、ヨーガを現代まで伝えてきた修行者たちです。

大自然の中に寝泊まりし、見かけはまるでホームレスです。
やはりサドゥだった、パタンジャリや、ゴータマ・シッダールタ(仏陀)の頃と変わらぬ風体だと思います。

ヨーガはサドゥと、このヴァラナシィのような、ケイオス(混沌)に育まれてきたもので、ただ、肉体やメンタルを健全にするようにアレンジされたのは、ここ100年くらいの話しです。

映画「聖なる呼吸」で紹介されたヨガは、これらの古来のヨーガとはつながりもなく、異質なもので、マイソールの上流階級(バラモン)のティーチャーが作り出したものです。

この映像からも分かるように、結構サドゥは怪しげで、実際、インド人の友人によると、いい加減なサドゥも多く、これまで、ヨーガがちょっと怪しげでカルト的な捉えられ方をしてきたのは、ヨーガが密教的な伝えられ方をして現在に至ったという理由があります。

しかし、ヨーガは従来そのようなもので、カルト的なものからしっかりと体系化されたものまでを包括的にしたものを呼ぶ漠然としたものです。

このような漠然とした魑魅魍魎の世界に慣れない、それを無理に理解しようとする現代人は、なんとか分かりやすくしようとしてヨーガを体系化してヨガにしました。
それが今流行っているモダンヨガです。

私は、その魑魅魍魎としたヨーガの世界と現在のモダンヨガを両方経験しました。
ヨーガとヨガの誕生期を経験できたのは、とても良かったと思っています。

私は、現在でもヨガの人間ではなく、ヨーガの人間です。
今までの人生同様、一生、この魑魅魍魎としたケイオスの世界に揉まれていきたいと思っています。





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