先日、Youtubeを何気なくみていたら、
アメリカの空手道場に道場破りが来たときの映像があった。
最近の出来事にしてはめずらしい。
道場破りは、これで道場破りが出来るの?
というほどおそまつな腕前で、あっという間にぼこぼこにされてしまった。
自分が居た1980年代には、どこの道場も、道場生も多く、
黒帯がゴロゴロしていたので、
ほとんど道場破りはいなかったようだ。
しかし、1960年代〜1970年代、ニューヨークに進出したカラテ道場には、
道場破りが頻繁にやって来たそうだ。
その時の様子を、当時、ちょくちょく酒の席などで聞いた。
K先輩という方がいる。
自分は、直接面識はないが、当時Kカラテの支部をひとりで任されていたそうだ。
そこにも、道場破りが頻繁に来たらしい。
K先輩は、短刀をいつでも手の届くところに隠していたそうだ。
その短刀で何をするのかというと、
もし、自分が道場破りに負けたときは、
その場で相手と刺し違えるつもりだったそうだ。
自分は、切腹する覚悟だったそうだ。
この話は身内では有名だった。
こういう覚悟の人間は絶対に負けない。
もちろんK先輩は、切腹することなく、現在もお元気だ。
自分たちは、最高師範から、
「手をやられたら、足を使え。
足をやられたら、噛みつけ、
それでもだめだったら頭突きしろ、
そして、それがだめで、殺されてしまったら化けて出ろ」。
と闘争心を叩きこまれた。
ニューヨーク市警の警官やチャイニーズマフィアの道場生も
同じように、叩きこまれた。
ヨガも格闘技も、システム化、マニュアル化されて、そこそこ優秀な人材で溢れているが、何かが違うと感じる。
魑魅魍魎、玉石混交の中から何かが出てくる。
あまりに社会が管理化されると、ダイナミズムがなくなり、人間にも迫力がなくなってくる。無秩序と混乱をくぐり抜けてきた人間は、本物のノウハウを持っている。人を惹きつける。
なんか世界的に退屈で、面白くない時代になったと思う。
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